苦手でも武器になる!伊藤あおいのプレースタイル

伊藤あおい プレースタイルを真似る

画像:スマッシュ1月号より引用

伊藤あおい選手は、
名古屋市出身、
20歳のテニスプレーヤーです。

2024年の
ジャパン女子オープンテニスでは、
予選から出場。

本戦まで勝ち上がり、
さらにシード選手を破って、
ベスト4まで勝ち上がり、
話題になりました。

2025年3月現在の世界ランキングは106位。

日本選手としては3番目の順位です。

しかし、彼女は、
決して体格に恵まれているわけではなく、
速いサーブやストロークが
あるわけでもありません。

身長167㎝で腕も細く、
右手の握力が12㎏だそうです。

それでも、
彼女のテニスが世界に通用するのは、
そのプレースタイルにあります。

彼女の強みは、
フォアハンドのスライスから展開する
ゲームの組み立ての上手さです。

パワーテニス全盛の時代の中では、
ちょっと異質な存在といってもいいでしょう。

伊藤あおい選手のプレーです。

この記事では、
伊藤あおい選手のプレースタイルについて
まとめてみました。

棒立ちで打つストロークが特徴的

伊藤あおい選手の打ち方は、
基本の打ち方とはちょっと違います。

ストロークを打つときは、
足を曲げて、
腰の位置を低くするのが一般的です。

速い球に負けないようにするには、
腰を低くしたほうが力を入れやすい、
と教わると思います。

ところが、彼女は、
ほとんど足を曲げないで打っています。

腰の位置が高いまま、
手の力だけで打っているように見えます。

実際には、フォアの時は左に、
バックの時は右に
体重をかけているようです。

基本とは違いますが、
ある意味省エネのテニスに
なるのではないかと思います。

1球1球腰を落として打つのは、
体力がいることですから。

棒立ちで打つのはコントロールしにくく、
なかなか真似できませんが、
省エネテニスになるので、
彼女の強みかもしれません。

伊藤あおい選手のテニスを
深掘りした動画です。

フォアハンドのスライスが武器

伊藤あおいのテニスは、
フォアハンドのスライスから
展開するのが特徴です。

女子でスライスを打つ選手が
あまりいないため、
対応することが難しいのが、
強みになっています。

スライスを打つことで、

  • 低く滑るため、ハードヒットできない
  • 滞空時間が長いため体勢を立て直す時間ができる
  • ドロップショットとの見分けがつかない

といったメリットがあります。

まず、
フォアハンドのスライスを使うことで、
相手はハードヒットできなくなり、
返すだけの展開になります。

さらに、アドサイドに切れていくため、
デュースコートがオープンになります。

なので、甘い球が返れば、
バックハンドでオープンコートに
打つことができます。

次に、
相手の球が深くコースをついてきても、
スライスを使って時間を稼ぎ、
体勢を立て直すこともできます。

相手からしたら、
深いボールを打っても、
ハードヒットできないボールが来ると、
なかなか決めることができません。

ラリーが続いても相手はイライラして、
先にミスをする場面が多くなります。

最後に、フォアハンドのスライスは、
ドロップショットと見分けがつかないため
相手は次のショットの準備が
できなくなります。

彼女は、スライスの構えから、
深いボールも打てるし、
浅いボールも打てます。

スライスの構えをされると、
相手はどこにくるかわからない。

結果、動きが止まって処理が遅れ、
返すだけになってしまいます。

これらのように、
フォアハンドのスライスを使うことで、
相手をかく乱させて
ポイントを取っていくことが、
彼女の戦略になっています。

同じ構えからコースを打ち分けるバックハンド

伊藤あおい選手の得意は、
バックハンドです。

右手はセミウエスタンのまま、
両手打ちのバックハンドです。

彼女のバックハンドは、
同じ構えから打点を変えて、
クロスやストレートを打ち分けます。

打点を前にして打つとクロスに飛び、
少し打点を遅らせると、
ストレートに飛びます。

感覚的なもので、
なかなか真似できるものではない
と思います。

体の使い方で打点を調整している

伊藤あおい選手は、
棒立ちで打ちますが、
体の使い方はうまいです。

例えば、
バックハンドで逆クロスに打つ時でも、
ボールの前に体を持って行って、
振り遅れさせて打ちます。

クロスに打つ時は、
ボールの後ろに体を持って行って、
打点を前にして打ちます。

左右にふられた時でも、
その方法で上手くコントロールできます。

まとめ

この記事では、
伊藤あおい選手のプレースタイルについて
お伝えしました。

伊藤あおい選手は、
体格に恵まれているわけではなく、
特別速い球を打てる選手ではありません。

しかし、フォアハンドのスライスを武器に、
うまくゲームを組み立てて、
ポイントを取っていくスタイルになります。

彼女は、
フォアハンドが苦手なようですが、
スライスは攻撃しにくく、
相手にとっては嫌なショットになります。

バックハンドが苦手で、
スライスしか打てない
というアマチュアも多いですが、
ここまでスライスを極めると、
むしろ武器になるということですね。

ハードヒッター全盛の中、
このプレースタイルで
世界106位まで登り詰めるのは、
かなり異質だと思います。

今後も注目したい選手ですね。

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