スマッシュ 1月号より引用
ダニエルメドベージェフは、 ロシアのテニスプレーヤーです。
2022年2月24日のATP
ランキングで、1位になりました。
なんと、
18年ぶりにビッグ4以外のプレーヤーが、
1位になったそうです。
次世代を担うプレーヤーということは、
言うまでもありません。
しかし、メドベージェフのテニスは、
意外と癖のあるプレーをしています。
ハードコートでは素晴らしい成績ですが、
クレーや芝ではイマイチ成績を残せていません。
それは、
メドベージェフの癖のあるプレースタイルが
原因なのかもしれません。
この記事では、ダニエル・メドベージェフの
プレースタイルについてまとめてみました。
変則的なストローク
メドベージェフは基本的に
ベースラインプレーヤーですが、
ストロークは意外にも変則的です。
一言で言うと、素人っぽい。
テニススクールのコーチに怒られそうです。
フォアハンドは、打点がすごく遅いので、
本当にプロなのか?
と疑うほどです。
実際に、メドベージェフの打ち方を
動画で見てみましょう。
フィニッシュが頭の上になっていますね。
しかし、体を柔らかく使って、
うまく返します。
オクトパス(タコ)と呼ばれるのは、
この打ち方からきているのだと思います。
この打ち方だと、
コースが予測しにくい
というメリットがあるかもしれません。
相手のボールに押されても、
下がらないで打てるのは、
この打ち方のおかげでしょう。
メドベージェフの強さは、
ベースライン付近からストロークして、
速い展開で勝負することです。
ストロークする位置が前になるほど、
相手は打つための時間を奪われるので、
ミスが多くなります。
メドベージェフは、
打点が遅れても打てることで、
前めでストロークできるんだと思います。
なぜ、こんな打ち方ができるのかは、
本人しかわかりません。
戦略的なベースラインプレーヤー
メドベージェフは、
基本的にベースラインプレーヤーです。
ベースラインでラリーを続けて、
相手のボールが浅くなったら、
前に出るパターンです。
しかし、
単にベースラインで打ち合うのではなく、
相手の状況によって、
ポジションを変えています。
例えば、相手がサーブを打つ時は、
威力のあるショットが予測できるので、
ベースラインのかなり後ろで
ラリーをします。
しかし、相手が強打しないとみると、
ベースライン付近まで移動して、
後ろに下がらずにラリーを続けます。
なので、相手にとって、
意外と速く感じると思われます。
実際に動画で確認してみましょう。
相手がサーブの時は後ろに下がりますが、
ラリーの時はほぼベースライン上で
ストロークしていますね。
1m前に出れば、
相手には2m分速く感じます。
2m前に出れば4m分
前に出れば出るほど、
相手には速く感じて、
ストロークする時間が奪われます。
これは、
アマチュアにも参考にできる部分です。
前でプレーするほど、 相手に取ってはボールが速く感じます。
しかし、前に出過ぎると、
振り遅れてしまって、
力強い球が打てなくなります。
そこは練習で、
ベストポジションを探す必要があります。
しかし、メドベージェフは、
打点が遅れても、
力強い球を打つスキルがあります。
ベースライン付近で
ラリーを続けられることが、
メドベージェフの強さです。
サービスキープ率が凄い
StockSnapによるPixabayからの画像メドベージェフの武器は、
なんと言ってもサーブです。
サービスゲームのキープ率は、
80%以上。
198cmの長身で手足が長い。
高い打点から繰り出すサーブは、
210kmを超えます。
高い打点から打てるので、
アングルにも速いサーブが打てます。
アングルへのサーブは、
レシーバーから遠ざかるように飛ぶので、
エースになる確率が高いです。
背の低い選手は、
回転をかけてスピードを落とさないと、
アングルサーブを打てません。
メドベージェフのような長身の選手なら、
スピードを落とさなくても
アングルサーブを打てる。
この差は大きいです。
ブレークされそうになっても、
1本のサーブでポイントが取れる。
サーブ1本でポイントが取れると、
体力も使わないし、
ゲームの流がよくなります。
サービスキープ率が高い選手は、
必然的にランキングが高くなります。
大番狂わせを起こすのも
サービスキープ率が高い選手です。
それは、
簡単にゲームを取ることができるので、
体力を温存しながら
勝ち抜くことができるからです。
相手にサーブをブレークされると、
どうしてもブレークし返さないと
勝てません。
サービスブレークするには、
打ち合いをして
ポイントを取らなければいけない。
必然的に試合も長くなり、
体力も使います。
トーナメントで勝ち抜くには、
なるべく体力を使わないように、
勝ちたい。
そのためには、
サービスキープ率が高いことは、
圧倒的有利になります。
ハードコートだけ強い
PexelsによるPixabayからの画像メドベージェフの成績を見ると、
全米オープンで優勝、
全豪オープンで準優勝と、
ハードコートで強いことがわかります。
一方、全仏オープンの最高がベスト8、 ウィンブルドンの最高が4回戦、 ランキング1位としてはイマイチです。
プレースタイルからしても、
芝コートやクレーコートは
合っていない気がします。
理由として考えられるのは、
芝コートでは滑るボールへの対応ができない。
クレーコートでは武器であるサーブでポイントが取りにくい。
そんなことが考えられます。
芝コートは、
サーブが速いのは武器になりますが、
低く滑るスライスへの対応が
うまくいかないのかもしれません。
メドベージェフは、
厚いグリップをしているため、
低いボールを持ち上げて打つことが
難しいと思います。
また、スライスやボレーが打ちにくい
プレースタイルだと考えられます。
芝コートの強い選手は、
サーブ&ネットのできるタイプか、
スライスが打てる選手です。
また、クレーコートは、
得意のサーブが減速するので、
キープ率がさがるのかもしれません。
イレギュラーバウンドが多いので、
ベースラインの前で打つストロークも、
ミートしにくくなり
どうしてもミスが出てしまう。
芝コートやクレーコートでは、
得意なショットが
生かされないのかもしれませんね。
まとめ
この記事では、
ダニエルメドベージェフの
プレースタイルについてお伝えしました。
メドベージェフのプレースタイルは、
- ベースライン付近でラリーする
- 速いテンポでラリーするので相手に時間を与えない
- グリップが厚く、特徴的な打ち方
- サービスキープ率が高い
- ハードコートは強いが、クレー、芝はイマイチ
少し前でラリーして、
テンポを速くすることで、
相手は想像以上に速く感じることは、
アマチュアにも参考になります。
相手が強打しそうなときは後ろに下がり、
様子をみながら前に出る。
これが、ラリーをするときの、
メドベージェフの戦略です。
しかし、バウンドの変わりやすい
芝やクレーコートでは、
対応が難しいのかもしれません。
グランドスラム大会に全て優勝するのは、
本当に難しいですね。
フォアハンドの基礎を学び力強いストロークを身につける
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