画像:スマッシュ5月号より引用
アレキサンダーズベレフ選手は
将来No1になるであろう期待の若手プレーヤーです。
2021年時点の世界ランキングは6位。
身長198センチの恵まれた体から繰り出されるサーブや、
長い手足を生かした威力のあるストロークが武器です。
若干20歳の若さでジョコビッチを破り
マスターズ1000(グランドスラムの次に格付けされている)の
イタリア国際で優勝しました。
(錦織圭はマスターズ1000でまだ優勝がありません)
マスターズ1000のシリーズではすでに4回優勝していますが、
残念ながらメジャーの優勝はありません。
しかし、2020年の全米オープンでは
過去最高の準優勝になっており
これからの活躍が期待される選手です。
典型的なストローカー
ズベレフ選手のプレースタイルは
強烈なストロークを中心に展開していく
ストローカータイプです。
長い手足を生かした威力のあるストロークで
相手をグイグイ押していくプレースタイルです。
そのため、クレーコートやハードコートで
力を発揮するタイプと言えるでしょう。
実際、マスターズ1000の大会で優勝した4回のうち
3回がクレーコートです。
準優勝以上の大会はすべてクレーコートかハードコートになっています。
特にフォアハンドのクロスへのショットが素晴らしく
クロスに振ってからのストレートで決めるパターンや、
クロスへのエースがポイント源になっています。
ラリー中はナダル選手と同様にベースラインの後ろでプレーしていますが
相手のコート深くに返球しているためなかなか攻められません。
シングルスで勝つために必要なことは
ストロークを深くすることです。
ズベレフ選手のプレーを見ていると、
やっぱりストロークは大事だな、
ということが思い知らされます。
220km/h越えのサーブ
ズベレフのサーブは220km/hを超える速さです。
198センチを超える身長から振り下ろされるサーブは、
角度の付いた鋭いサーブです。
高い打点から打ち下ろされるサーブは、
ワイドに打つときに、
より角度を付けやすくなります。
ワイドサーブはレシーバーからボールが離れていくので、
角度をつければつけるほどエースを取りやすいサーブです。
しかし、コースが甘くなれば、
ストレートにもクロスにも打ちやすくなり、
リターンエースを取られやすいサーブでもあります。
50センチ外に打てるだけでも、
エースを取れる確率は違ってきます。
身長が高いというのは、
それだけで大きな武器になりますね。
サーブがいい選手は、
サーブのみでポイントが取れるので、
サービスキープが楽になります。
それだけにズベレフのサーブは、
大きな武器になります。
フットワークが素早い
ズベレフ選手は、
威力のあるサーブやストロークが武器ですが、
同時に粘り強さも兼ね備えています。
それは、フットワークが素早いからです。
彼は、身長が高いわりに動きが素早いのです。
手足が長く、フットワークが素早いので、
守備範囲がものすごく広くなります。
決められたと思われるボールにも、
持ち前の長い手足でなんとか返球して、
ラリーを続けます。
返球した後、素早く攻めに転じられる。
簡単にポイントが取れない。
ポイントを取ろうとすると、
必要以上に厳しいコースをつかなければいけない。
すると、ミスにつながる。
そんな、粘り強いテニスができるのがズベレフの強さです。
決まりそうなボールでもあきらめないで1回返す、
というのは我々にも参考になります。
ネットプレーは未完成
ズベレフ選手の試合を見ると
ほとんどネットに出ないことがわかります。
ストロークで完全に崩した状態で決めのネットプレーをするか
浅いボールでネットに誘いだされるか、
この2通りしかネットに出ないという感じです。
長身で手足も長いのでネットプレーもできそうですが
ボレーやアプローチショットがまだ未完成なのかもしれません。
試合の中で、自分からポイントを取りに行く、
というシーンがあまり見られないような印象です。
ラリーが長く続くような試合をしていては
トーナメントを戦い抜く体力が心配になるところですが
それで世界ランキング4位は立派です。
長身を生かしてフェデラー選手のように
サーブアンドネットでポイントが取れるようになれば
大きく飛躍するんではないかと思います。
動画をチェック
それではズベレフ選手の試合動画をチェックしてみましょう。
相手のサーブの時は。
ベースラインよりかなり後ろに下がっていますね。
ストロークでグイグイ押しながら
ポイントを取っていくプレーが随所に見られます。
決められそうになってもスライスでつないで
次のショットに備える。
このプレーをされると、
相手は意外と嫌なものです。
動きが素早いので、
すぐさま攻めに転じられていますよね。
ズベレフ選手のプレースタイルは
参考になる部分が多いと思います。
- 滑るスライスにはフォアもバックも膝をしっかり曲げて対応
- 厳しいコースも無理をしないでコート深くに返球
- チャンスボールに対しては攻撃的に打っていく
などなど、真似できる部分はたくさんあります。
どんなボールもしぶとく丁寧に返球していけば
ポイントを取ることができるという点は
我々でも実践できるプレースタイルです。
フォアハンドの基礎を学び力強いストロークを身につける
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